さくらに あじさい きんもくせー
きれいに なかよく にこにこにーこ
わたしの ゆめはー うつくしくー
みどりがおかにー かがやくよー ♪♪

なかなかいい歌詞だと思いませんか。
お聞かせできないのが残念なぐらいメロディも良かったりします。
実はこれ。長女が通っている幼稚園の園歌です。
長女は6歳。今幼稚園の年長さんです。この4月に小学校にあがります。
2年以上も聴いているので僕もすっかり覚えてしまいました。

我が家にはこの園歌を歌える人がもう一人います。
3歳の次女です。
お姉ちゃんが歌っているのを聴いて覚えてしまったんですね。
僕と長女が歌ってると必ず後から入ってきます。
そして僕ら2人が歌うのをやめても最後まで歌ってしまうのです。

昨年の11月。
次女の幼稚園の入園試験がありました。
もちろん長女が通っているのと同じ幼稚園です。
我が家の近所には公立の幼稚園が無いので私立に通わせています。
私立なので一応入園試験があるわけです。
毎年定員に満たないのでほとんど落ちる子はいないんですけどね。

試験官は園長先生と副園長先生。
面接室に子供と保護者が入ると先生たちが待っています。
そこで「名前は?」とか「好きな食べ物は?」とか訊いて答えられるか見るわけです。
長女のときは「好きな食べ物は?」と訊かれて「ソーセージとお肉」と元気よく答えられました。
「ソーセージもお肉でしょ」なんて突っ込みはありません。
元気よく答えられればそれで合格です。

さてさて。
こう見えて僕は割とチョイ悪おやじです。
次女が合格率≒100%の試験を受けると聞くと生来の遊び心が騒ぎ出してしまいます。

試験前日の晩。
僕は次女にこう吹き込みました。
「いいかい?明日は園長先生とお話しするから」
「私歌えるよって言って幼稚園の歌を大きな声で歌ってくるんだよ」

入園前の子が突然園歌歌いだしたら先生たちどんな反応するだろう。
考えただけでニヤけてしまします。

こくりと頷く次女。
よく見ればくのいちのような凛とした顔をしているではありませぬか。

そして翌日の朝。
僕の密命を受けた次女は母上と共に揚々と出かけていったのです。
その日僕は仕事を定時で切り上げ、速攻で帰宅しました。

「どうだったどうだった?」

僕のほうを振り向く妻。
んっ?
ドジを踏んだチビまる子を見る姉さき子のようなシュールな眼差しです。
彼女はにこりともせずに言いました。

「いつもママとお迎えに来る妹さんね。わかってますからいいですよ。って言われて…。うちだけ面接は無しだったよ」

「えーっ…」

チョイ悪おやじのチョイ悪計画。失敗です。

でも合格は合格。
素直にそれを喜ぶことにします。

何はともあれ次女も4月から幼稚園児の仲間入りです。

もう暫くのあいだ、我が家であの馴染みのフレーズの歌声が聴けることになりそうです。