起業って最初はしんどいですね。
「ぜったい上手くいくよ」という強気男。
「今からでもやめといたほうがいいんじゃない?」という弱気男。
2人の男が僕の中に同居します。
起業家初心者だとちょっとしたことで弱気男が増長するのでこいつを抑え込むのが実に厄介です。
正月に家族で僕の実家に帰ったときにこんなことがありました。
父と母には「年明けから起業するよ」ってメールで伝えてはいたんです。
でも母親ってのは心配性なんですよね。
あった傍から「家族が路頭に迷わないように死ぬ気でやりなさいよ」なんて言ってくるわけです。
弱気男が増長してるとそんな些細なことを自分の中で消化できなくなります。
帰りの自動車の中で、「やる気になってんだからもうちょっとポジティブな言葉ないかなあ」なんて妻に愚痴ってしまいます。
ああもう悪循環。「じゃあやめれば?」なんて言い返されても文句いえないシチュエーションです。
でも妻が返してきたのは意外な言葉でした。
「そんなの影響の輪の外側のことでしょ。内側のことに集中したら?」
「影響の輪?」
「なんか聞いたことあるな」
「あぁ。思い出した。影響の輪かぁ」
7つの習慣。
スティーブン・コビーという人が書いた本です。
この本の中に「影響の輪」の話がでてきます。
日本の財政状況は火の車です。
僕らの老後は年金なんて無いって言われてますよね。
でもこれって僕一人頑張ってどうこうできる事じゃ無い。
僕の行為の影響の及ばない範囲のことです。
じゃあ僕が今日の仕事を早く片づけて帰宅したら?
当然家族が喜ぶ。
これは僕の行為が影響を及ぼせる範囲のことです。
この「影響の及ぶ範囲」と「影響の及ばない範囲」の境界が「影響の輪」です。
影響の輪の外側のことなんていくら考えても何の得もない。
だったら影響の輪の内側のことに意識を集中させなさい。
そうすればあなたの影響の輪はだんだんと広がっていくんだよ。
コビーさんは著書の中でこういうのです。
影響の輪が世界で一番大きい人って誰でしょう。
オバマ大統領だと思うんです。
一国を攻め滅ぼすこともできれば、飢えている人を何万人と救うこともできる。
とてつもなく大きな影響の輪ですよね。
でも彼の影響の輪も最初は小さかったと思うんです。
ボランティアして影響の輪がちょっと広がった。
依頼者のために尽くしてあげて影響の輪がまたちょっと広がった。
そんなことを続けている間に世界で一番大きな影響の輪を手に入れた。
きっとそうに違いないと思います。
起業してから一か月。
たった一か月でいろいろなことを経験しました。
感激したこと。自己嫌悪に陥ったこと。戒めになったこと…。
どれも起業しなければ経験できなかったことです。
確実にいえることは、どの経験も僕の影響の輪を少しだけ外に押し広げてくれたんじゃないかってことです。
これからも影響の輪の内側のことに意識を集中させていく。
それが弱気男をやっつける一番の方法なんじゃないか。
今はそう思っています。
実は、このコビーさんの本は数年前に僕が読んで妻に勧めたものなんです。
「素晴らしい本だからお前も読め」って。
僕は忘れていた。
妻は覚えていた。
妻に感謝しなくっちゃね。
あなたは、どうですか。
影響の輪の外側のことに思い悩んだりしていませんか。
2012年02月
第1回 家族の食卓
はじめまして。
千ヶ崎茂樹といいます。
妻、6歳の長女、3歳の次女と4人暮らしをしています。
縁あってコラムを書かせて頂くことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
さてさて。
今日は記念すべき第1回目です。
「家族の食卓」と題してつらつら書いてみようと思います。
戸田ゼミ通信をご覧になっている方の平均年齢ってどのくらいでしょう。
40代から50代ぐらいじゃないかな。
いずれにしても男性の方は働き盛りって方が多いんじゃないかと思います。
そんな皆さんに聞いてみたいんですけど、
家族全員がそろって夕食をとる回数って週のうち何回ありますか?
半年ぐらい前のこと。長女の幼稚園の父親参観がありました。
子供と一緒に登園して、一緒に遊びます。
そのあと昼前ぐらいに子供だけ降園させて、先生とパパ達で座談会をしたんです。
各々が、自分の子供が遊んでいる姿を見てこう思ったとか、うちではこんな育て方してますとか発言するんです。先生がモデレータする感じ。
僕の発言の番になったときに思い切ってほかのパパたちに聞いてみたんです。
「子どもと一緒に夕飯食べるの週に何回ぐらいですか」って。
一番多かったのが、「ウィークデーは9時過ぎに帰宅するので食べれません。子供は寝ちゃってます」って人。
これが8割ぐらい。
次に多かったのが、「週に1回は定時に帰れるのでその日は食べます」って人。
これが2割ぐらい。大手にお勤めの方でしたね。
一人だけ「みなさんいいですねえ。その日のうちに帰れて」って言ったパパがいて僕は鼻血が出るぐらいびっくりしました。毎日0時過ぎるの?
お子さんの年齢にもよると思うんですけど、戸田ゼミ通信の訪問者の方たちの割合も大体こんなもんでしょうか。
僕は去年の12月までサラリーマンをしていました。「していました」っていうのは、勤務先を退職して1月に起業したんです。だから今は個人事業者です。
サラリーマン時代は決して優秀な社員とは言えなかったけど、一つだけ誇れることがあります。
ほぼ毎日定時に退勤。夜7時前に帰宅して、家族で夕食をとるようにしてたってことです。
「残業しないで仕事こなせるの?」って思われるかもしれませんね。
もちろんこなせません。だから朝7時に出勤するんです。
これって勤務時間自体は同じでも夜遅くまでやるより全然効率いいんですよ。
午前中の方が頭が冴えるんです。朝早ければ通勤電車も座れるしね。
夕食前に帰宅することは教育的にもいいですよね。
家族で食事をとる回数が多いと情緒的に安定した人格に育ちやすい。
これを裏付ける統計とか普通にあります。
でもってですね。
起業したって生活のリズムはサラリーマンのころとそんなに変わらないだろ、朝早起きすれば夕食前に帰宅できるだろ、なんて僕は高を括っていたわけです。
ところが、やってみるとこれが意外に大変。
会社のWebサイトを作ったり、開業挨拶状を発送したり、会計ソフトのマニュアル読んだり…。
仕事の引き合いなんかなくてもやること山積です。
気が付いたら夜9時になっていた、なんて日も結構あります。
時間が経つのが早いってのはそれだけ充実しているってことでもあるわけですが…。
早く経営を安定させて普通の生活に戻りたいなあ、なんて思う今日この頃です。